問題 8. 次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを1・2・3・4から一つ選びなさい。

(1) 「練習ではできていなかったのに、試合では技を成功させられた」などという場合に「すごいね」とほめられると、「私は本番に強いから、練習はそこそこにして、本番で勝負をかければいい」と思ってしまいがちです。 本番に強いのは悪いことではありませんが、練習でしっかりできていないことを「本番になればきっとできるだろう」と考えるのは、甘いと言わざるをえません。そのようなスタンスでは、トップクラスの結果を出すことはとうていできないでしょう。 真の実力をつけるには、やはり練習でも常に全力投球する姿勢が必要です。

1. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 本当に実力があれば、練習でできなかったことでも試合でできる。

2. 全力で練習したから試合でも成功するというのは、甘い考えだ。

3. 練習でしっかりできていても、試合で実力を発揮するのは難しい。

4. 練習にも全力で取り組まなければ、試合でいい結果は出せない。

(2) 感情とは、単純な生理的な反応のことではありません。電車のなかで足を踏まれても、踏んだ相手の自分への対応によって、怒りになったりならなかったりします。自分が痛い思いをしても、ときに(注)相手の方に同情しさえします。人が感じる怒りとは、自分が傷つけられたという実感に加えて、その傷つける振る舞いが不当であるという判断も含まれているのです。このように感情は、じつは価値判断に基づいているのであり、すでにそこには思考があるのです。 (注)ときに:時には

2. 感情について、筆者はどのように述べているか。

1. 感情は生理的な反応より思考の影響が大きい。

2. 感情は相手の対応ではなく自分の実感で決まる。

3. 感情は実感だけではなく価値判断も含む。

4. 感情は思考より先に生まれるものである。

(3) 科学者は、一般に疑り深い。原因と結果が単純に結ばれる場合はそうでもないが、複雑な経路でつながっている場合には、論理の道筋がちゃんとたどれない限り疑い続けるのが通例(注)である。だから、新聞のインタビューなどで意外な結果や思いがけない現象について意見を聞かれたとき、必ず「もしそれが事実とすれば」という前置きをしてから推測を述べることになっている。より重大な結果を主張した論に対しては、より確実でより強固な証拠を要求するのも、その理由からである。 (注)通例:ここでは、一般的

3. 科学者について、筆者はどのように述べているか。

1. 原因と結果が単純に結ばれない限り、疑い続ける。

2. 原因と結果が論理的に証明できなければ、受け入れない。

3. 原因と結果の関係が複雑であるほど、より強固な証拠を要求する。

4. 原因と結果の関係が意外な場合には、証拠がない限り推測を述べない。

(4) 人間は一人では生きていけない。誰かと依存し合っている。かつては、自立ということを単純に考え、依存を少なくするほど自立すると考えられたこともあった。しかし、現在の心理学はそれほど単純に自立と依存を一直線上にある対立概念としては見ていない。適切に依存し、そのことについてよく自覚している者こそ自立しているのだ、と考える。依存をなくそうと努力するあまり、人間は孤立してしまい、そのために生じる障害によって、かえって自立性を奪われてしまう。

4. 筆者の説明によると、自立した人とはどのような人か。

1. 自立と依存が全く違うことだと認識している人。

2. 依存を少なくしたうえで、他者と生きようとする人。

3. 必要に応じて依存し、自身の依存をよく理解している人。

4. 孤立することを恐れず、依存をなくそうと努力している人。

(1) どんな社会にも、「情報通」と呼ばれる人がいます。 「物知り(注)」とは違います。多くの場合は、「情報に通じた人」 つまり、どこにいけば情報があるのかを知っている人を指します。 どんなに知識の豊かな人でも、知っている分野や程度にはかぎりがあります。けれども、ある分野については、人並み以上によく知っている人は少なくありません。 「この問題については、○○さんが詳しい」 「この問題なら、○○さんに聞けばわかる」 そうした引き出しを、人並み以上にもっている人が 「情報通」なのです。 (注)物知り:物事を広くよく知っている人。

5. 筆者によると、「情報通」 とはどのような人か。

1. 幅広い分野で人並み以上の情報をもっている人。

2. 何が自分にとって必要な情報かをよく理解している人。

3. 誰が必要な情報をもっているかをよく把握している人。

4. 情報をもっている人を見つけて、問題解決ができる人。

(2) 人間の感覚がいかにあてにならないものかを示す有名な実験があります。 まず、三つの容器に冷たい水とぬるま湯、それに熱いお湯を用意します。はじめに右手を冷たい水に、左手を熱いお湯に、同時につけます。しばらくつけたら、今度は両手を同時にぬるま湯につけてみます。 すると、冷たい水に慣れた右手は温かいと感じ、熱いお湯に慣れた左手は同じぬるま湯を冷たいと感じるでしょう。人間の感覚は同じ身体の一部でさえも、ちがう意味を受け取ってしまうのです。

6. 手の感覚について、実験からどのようなことが分かったか。

1. 熱いお湯や冷たい水につけ続けていると、温度が感じられなくなる。

2. 冷たい水のあとより熱いお湯のあとにつけたほうが、ぬるま湯を温かく感じる。

3. 先につけていた水やお湯の温度より、ぬるま湯の温度のほうが低く感じる。

4. 先につけていた水やお湯の温度によって、ぬるま湯の温度の感じ方が変わる。

(3) 自動車が自動的に運転されることになれば、それは完全に単なる移動手段となり、運転することの娯楽性は存在しなくなる。人間が自分で自動車を運転する楽しさというものは、安全や利便性(注1)とのトレードオフ(注2)として、なくなってしかるべきものなのだろうか。人間を害するリスクのある非合理な娯楽性は、自動運転車とともになくなってしまえばいいと割り切ってしまう前に、安全性と娯楽性が両立する解はあると信じたい。 (注1)利便性:便利さ (注2)~とのトレードオフとして:ここでは、~を得るかわりに

7. 自動運転車の登場について、筆者はどのように考えているか。

1. 安全や便利さも重要ではあるが、自分で運転する楽しさは失いたくない。

2. 安全性と娯楽性の共存が望ましいが、実現は難しい。

3. 娯楽性がなくなるが、安全や便利さのためには許容せざるをえない。

4. 娯楽性を犠牲にしてまで、運転の自動化を進めてはいけない。

(4) 翻訳という作業は音楽の演奏に似ている。作家は作曲家に訳家は演奏家に、それぞれたとえることができるのではないか。前から、ひそかにそう考えていた。 新しい世界観を提示するために構成を練り、一つ一つの言葉や音を吟味して組み立てていく作家=作曲家。 かたや(注)作者に寄りそうようにして意を汲み、原作や楽譜を丹念にたどってその世界を再現してみせる翻訳家=演奏家、楽譜をもとにしていても、演奏家によって、生み出される曲の印象がまるで違うことがあるように、小説や詩も、翻訳家の個性や解釈によって、何種類もの異なる翻訳が存在することがありうる。 (注)かたや:一方

8. 筆者は、翻訳のどのような点が音楽の演奏と似ていると述べているか。

1. 原作を丹念にたどっても、作家の世界観が再現されない可能性がある点。

2. 同じ原作を翻訳しても、出来上がった翻訳が多様になりうる点。

3. 翻訳家の個性により、異なる作家の作品でも似た印象になりうる点。

4. 翻訳家次第で、さまざまな世界観が生み出される可能性がある点。

(1) 情報社会、あるいは情報化社会と言ってもいいですが、そこで懸命に生きていこうとすると、まず出てくる悲鳴があります。つまり、あまりにも多くの情報があって、その中のどれが本当なのか、何を選んだらいいかわからない。今、流行っているものの情報に熱心であればあるほど、世間で流行っていることを知らないと自分が遅れるんじゃないか、という焦りみたいなものが人間を突き動かすのが情報化社会の特徴です。

9. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 情報を求める人ほど、知らない情報があることに不安を感じる。

2. 情報を得ることに熱心な人は、世間で流行っていることしか知らない。

3. 多くの情報から必要なものが選べなければ、世間から遅れてしまう。

4. 流行っているものの情報に熱心なだけでは、情報化社会で生きられない。

(2) 以下は、「書くこと」について述べたものである。 「思ったこと」や「考えたこと」という抽象的な存在が文字という具体的な存在に変化した瞬間、その筆者は自分自身の「思ったこと」や「考えたこと」を、直接、自分の目で「見た」ことになる。つまり、客観的に「観察」することになるわけだ。「書くこと」は「読むこと」。自分の文章を読みながら書き進めるのが、「書く」という作業なのである。観察はほとんど必然的に「批判」のこころを呼び起こす。「思ったこと」や「考えたこと」の後きや甘さを、書いた瞬間に思い知らされるのである。

10. 筆者によると、「書くこと」によってどうなるか。

1. 自身の新しい考え方に気づく。

2. 自身の意見を具体的に伝えられる。

3. 自身の意見を批判的に見ることができる。

4. 自身のこころの変化を観察することができる。

(3) 昔と比べてモノが売れなくなり、広告の働きも悪くなっていることから、表現の面白さや新奇性ばっかりに走ってしまう。。。要は、本来、最も大切であるはずの消費者心理のツボを十分に突ききれていない、分析しきれていない、いわば表面上の、表現にこだわった広告が増えているように感じます。 消費者心理は「本質」、表現は「伝え方」とも言い換えられますが、最も大切な本質を重視せず、表面上の伝え方ばかりに重きが置かれるようになっている状況は、いかがなものでしょうか?本質なきところに良い伝え方など存在するはずがないのです。

11. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 消費者心理を捉えた広告作りは、昔より難しくなっている。

2. 消費者心理を捉えていないのは、良い広告とは言えない。

3. 消費者心理を捉えていれば、広告は表現にこだわる必要はない。

4. 消費者心理を捉えているだけでは、効き目のある広告にはならない。

(4) 語り合えば語り合うほど他人と自分との違いがより繊細にわかるようになること。それが対話だ。 「わかりあえない」「伝わらない」という戸惑いや痛みから出発すること。それは、不可欠なものに心を開くことである。そのことで、ひとはより熱い対話をすることができるようになる。対話のなかでみずからの思考をも鍛えていく。よくよく考えたうえで口にされる他人の異なる思いや考えに、これまたよく耳を澄ますことで、じぶんの考えを再点検しはじめるからだ。

12. 対話について、筆者はどのように述べているか。

1. 他人とじぶんの違いが大きいほど、熱い対話ができる。

2. 他人との思考の違いを把握することで、自身の思考が深められる。

3. わかりあえないという戸惑いや痛みが克服でき、他人と共感できる。

4. 思いや考えを表現する能力が鍛えられ、他人に理解してもらいやすくなる。

(1) 機械はどんどん精密化し、巨大に進化している。人間の介入を許さないかのような迫力さえ感じさせる。だが、どれほど機械が進化しようとも、本質は変わらない。熟練工(注1)が金槌やドライバーなどの道具を、自分の体の一部のように自在に使いこなすことで最大のパフォーマンスを発揮するように、精密機器や巨大な設備も、人間が活き活きと動かすことが必要である。機械も道具である、という当たり前のことを、私たちは忘れてはいないだろうか。人間が機械に使われたり、単なる番人(注2)になったりするようなことがあってはいけない。 (注1)熟練工:熟練した職人 (注2)番人:監視する人

13. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 機械の進化に伴い、人間も技術や能力を向上させることが必要だ。

2. 機械がどんなに進化しても、人間は機械に使われないようにすべきだ。

3. 人間は機械も道具であるという認識を考え直したほうがいい。

4. 人間はどこまで機械を進化させるべきかをよく考えたほうがいい。

(2) 以下は、ある電気店から届いたメールである。 宛て先:syo_yasuhara@kfy.co.jp 件名:イヤホン「AS-10」の件 日時:9月13日13:30 安原正一様 LM 電気大木店をご利用いただき、ありがとうございます。 ご予約いただいたイヤホン「AS-10」ですが、メーカーの生産が遅れているため、発売日9月20日当日に、すべてのお客様にお渡しすることが困難な状況です。 本日、当店で9月20日にお渡しできる数が確定し、安原様のご注文分は確保できないことが分かりました。大変申し訳ございません。 安原様へのお渡しは10月以降になってしまうのですが、いかがいたしましょうか。ご注文のキャンセルも承っております。 お忙しいところ恐縮ですが、ご返信お待ちしております。 LM 電気大木店 担当:上田映子

14. イヤホン「AS-10」について、このメールで確認していることは何か。

1. 今から予約しても発売日には渡せないが、予約するかどうか。

2. 発売日が10月以降になってしまうが、予約するかどうか。

3. 発売日に渡せるかは分からないが、予約したままでいいかどうか。

4. 発売日ではなく10月以降に渡すことになるが、予約したままでいいかどうか。

(3) 消費者ニーズの多様化が進む今日、「あらゆる人のための商品」はありえない。経営資源が限られるひとつの企業が、すべての顧客を満足させることは不可能だ。 今の時代、すべての顧客の要望に応えようとすると、結局、誰の要望にも応えないことになってしまう。「万人受け」という言葉はすでに死語かもしれない。 「誰に売らないか」を決めることによって、経営資源を最大限に有効に活用し、「売るべき人」に集中することができる。 (注)万人受け:皆に受け入れられること

15. 筆者が最も言いたいことは何か。

1. 顧客を限定して、その要望に応えた商品を作るべきだ。

2. 顧客の要望に応えるために、経営資源を増やすべきだ。

3. 多様なニーズに応えて、多くの消費者を満足させるべきだ。

4. ひとつの商品に焦点を当てて、経営資源を最大限に活用すべきだ。

(4) 「自分の悪い部分を露にすると、嫌われたり、敬遠されたりするのではないか」という不安は、もちろんあるだろう。見せ方がまずいと、実際にそうなる危険性もないとは言えない。しかし、世間からの評価や期待に対しし神経質になりすぎ、そのせいで常に不安を抱えながら生きていくくらいなら、他人から嫌われるほうがよほどましである。 そもそも他人は、あなたが思っているほどあなたに対して期待などしていない。誰もが皆、自分のことで頭がいっぱいで、他人のことなど気にかけてはいない。

16. 筆者が言いたいことは何か。

1. 他人に嫌われることなく生きることは難しい。

2. 世間の評価や期待を気にしながら生きる必要はない。

3. 自分の悪い部分を見せなければ、他人に嫌われることはない。

4. 自分の悪い部分を見せて他人から嫌われるほうが、楽に生きられる。

(1) テレビ番組は、その番組内容のすべてが視聴者に伝わるよう、わかるように作られるが、一歩間違えれば、「わかりやすいだけの番組づくり」になってしまう危険性がある。メッセージかシンプルな番組のほうが視聴率を取りやすい、などと言われる傾向があるなかで、「わかりやすく」することでかえって、事象や事実の、深さ、複雑さ、多面性、つまり事実の豊かさを、そぎ落としてしまう(注)危険性があるのだ。とりわけ報道番組では、このことは致命的な危うさになる。 (注)そぎ落とす:削る

17. 筆者が、番組づくりにおいて危険だと感じていることは何か。

1. 視聴率を上げようとして、事実とは異なることを伝えてしまうこと

2. わかりやすいことだけを伝えて、視聴者に関心を持たれなくなってしまうこと

3. わかりやすくしようとして、事実を掘り下げて伝えられなくなってしまうこと

4. メッセージをシンプルにしようとして、本質がわかりにくくなってしまうこと

(2) 人材育成という場面では、相手に「失敗する権利」をもっと与えてもいいような気がします。それはなによりも「失敗する権利」を与えることが、相手の自発性を生み出すことに結びつくからです。 逆にいえば「失敗する権利」 がないところでは、行動がどうしても「しなければならない」 の連続になり、自発性よりも義務感を助長してしまいます。自分はどのくらい相手に「失敗する権利」を与えているのか、一度立ち止まって考える価値はあるでしょう。

18. 筆者の考えに合うのはどれか

1. 失敗してもいいと思わせることで、相手は自ら行動できるようになる。

2. 失敗を経験させれば、相手は失敗について自ら考えるようになる。

3. 失敗の経験を積ませることで、相手は失敗をしないようになる。

4. 失敗を許容しなければ、相手は行動することを恐れてしまう。

(3) 直感力は即座に作用する場合もあれば、逆に時間をおいて、ある日突然作用をすることもあります。言い方を変えれば、気まぐれな存在とも言えます。 しかし、その気まぐれとも思える直感力による「発見や気づき」は、考え続けたり、悩み続けるといった努力と強い指向性(注)の結果として生まれてくる「閃き」であって、探求への意識関心がないところ発生することもありません。つまり、強い探求心と問題意識を持ち続けた結果として、あとから直感が働いているわけです。 (注)指向性:ここでは、特定の方向に向かう意識

19. 筆者の考えに合うのはどれか

1. 直感力による 「発見や気づき」は、問題の解決に欠かせない。

2. 「発見や気づき」は直感力によって生まれるわけではない。

3. 強い探求心と問題意識を持っていれば、問題は解決できる。

4. 問題への探求心持ち続けていなければ、直感力は作用しない。

(4) 「思い出」とは、「かつて」の私の出来事について、「いま」の私の内で生起する「心の動き」のことだ。嫌な不愉快なな「思い出」は自ずと封印(注1)されて縮小してもゆくが、一万の楽しい愉快な「思い出」は止め処なく(注2)過剰に膨らみ、出来事の事実を超えて一つの「物語」が出来上がってしまうことも多い。「かつて」から経た時間が遠くなればなるほど(老いるほど)、思い違いや思い込みを含んだ「私の記憶」が作られる、そうなりがちだ。 (注1)封印されて:ここでは、触られずに (注2)止め処なく:止まることなく

20. 「思い出」について、筆者の考えに合うのはどれか。

1. 不愉快な「思い出」ほど、記憶に残りやすい。

2. 時間がたてば、多くの「思い出」が消えていく。

3. 時間がたつほど、事実とは異なっていくことが多い。

4. 出来事の記憶が鮮明なほど、自分の「物語」が作られる。

(1) 「嫌い」はネガティブな(注)感情で、まさに嫌悪感をもってしまいがちですが、自分の中に芽生えてきた大切な感情であり、大事な機能でもあります、何より根絶できません。 「嫌い」はとてもパワーを必要とする感情ですから、それだけに反動も大きい。振り回されないための第一歩は、嫌いを認めることです。ネガティブな感情でも、もつことは自然なことであり、生きる上でメリットになる、そして周囲の人にもメリットがあると捉えてみてください。 (注)ネガティブな:否定的

21. 「嫌い」の感情について、筆者の考えに合うのはどれか。

1. 否定的で強い感情であり、振り回されてもしかたがない。

2. なくせない感情であり、受け入れたほうがいい。

3. 認めることで、その感情を抑えることができる。

4. 理由を考えれば、振り回されることはない。

(2) 安く売るべきか、品質にこだわるべきか。事はそんなに単純ではない。どんなに良い商品であったとしても、できるだけ価格を抑えるための努力は必要だ。品質にこだわる戦略というのは、品質さえ良ければどんなに高くても買ってもらえるという短絡的な戦略ではない。 できるだけ価格を抑える努力はしているけれども、それでも品質にこだわるとこれ以上は安くできない。他社の商品よりも高いのだけれども、それだけの価値はある。だからその差額を許容してほしい。そう訴えることが、品質にこだわった正しい戦略である。

22. 品質にこだわる戦略とは、どういうことか。

1. 品質に見合った価格であると主張する。

2. 品質の良さと価格の低さを主張する。

3. 価格に合わせた品質であると主張する。

4. 価格よりも、品質の良さを主張する。

(3) 時には、自らに「素朴な質問」を投げかけてみてはどうだろうか。子どもが親に尋ねるような「素朴な質問」というものは、意外にも人生や生きることの本質にかかわることであり、人生論や哲学の課題であることが少なくない。そうした質間を真正面から投げかけられたとき、はっと何か気づかされるところがあって、自分の日常を反省するような反応を示さないとしたら、その人の感性は相当に(注)枯れていると考えたほうがよい。 (注)相当に:かなり

23. 筆者が言いたいことは何か。

1. 素朴な質問に向き合って、日常を省みることが必要だ。

2. 親が子どもから人生の本当の意味を教わることもある。

3. 大人になると、子どもが尋ねるような質問をすることは難しい。

4. 感性を磨くには、子どもが投げかけた素朴な質問に答えるとよい。

(4) 科学とは、知れば知るほどわからないことが増えてくるものである。自分は何も知らなかったと思い知らされるのが科学者の日常と言える。つまり、科学者は研究を極めれば極めるほど謙虚になる。自分の無知さを知って謙虚にならざるを得ないのだ。その観点から言えば、知ったかぶりをする(注)科学者はもはや研究をストップしており、それまでに得た知護を誇っているに過ぎないと言うことができる。もはや過去の人であり、その知識は時代遅れになっている可能性が高いのだ。 (注)知ったかぶりをする:知っているふりをする

24. 筆者の考えに合うのはどれか

1. 科学者は時代に合った知識を持つべきだ。

2. 科学者は研究を続けることでより謙虚になるものだ。

3. 謙虚であれば、よい科学者として認められるものだ。

4. どんな科学者であっても、自分の無知を自覚しているものだ。

(1) ファッションなど、流行は模倣を前提にしている。真似られなければ、ファッションなど成立しない。ミニスカートをデザインしたとしても、特定のデザイナーのものだけが売れるのでは、流行にはならない。多くの者が模倣してははじめて流行は成立するため、ファッションなどには、模倣を誘発させようとする意図が最初から織り込みずみだ。

25. 流行について、筆者はどのように考えているか。

1. 多くの者に購買意欲を誘発させるものである。

2. 多くの者に真似られることなしには始まらない。

3. 特定のデザイナーによる誘発が欠かせない。

4. 特定のデザイナーのものが真似られなければならない。

(2) 下は、書店から贈られてきたメールの内容である。 吉川美知子様 この度は、ブックネット A書店にて、以下の商品をご注文いただき誠にありがとうございました。 注文番号:731-5777427-2785468 ご注文商品:「S先生との対話」 在庫の確認をいたしましたところ、ご注文いただきましたこの商品は、絶版になっていることがわかりました。 つきましては、誠に勝手ではございますが、すでにクレジットカードでお支払いいただいた上記ご注文の代金を全額お返しするよう処理させていただきます。 何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。 なお、この件につきましてご不明な点がございましたら、以下のアドレス宛にお問い合わせくださいますようお願いいたします。 ブックネット A 書店 注文管理担当 武田博 お問い合わせメールアドレス:tyuumon@bukkunetto-a-syoteikyo.jp (注)絶版:一度発行した書籍の印刷・販売を中止すつこと

26. このメールの用件は何か。

1. カードでの支払いは取り扱っていないことを了承してほしい。

2. 当店に在庫はないが、他店に確認するので待ってもらいたい。

3. 返金方法について当店担当者のアドレス宛に知らせてほしい。

4. 注文を受けた書籍がないので、支払われたお金を返金したい。

(3) 「自分は間違っていない」と思うことから始まる怒りは、安当な怒りです。少しも後ろめたくありません。 むしろ、「間違ってない」と思いながら怒りをごまかしてしまったときのほうが後味は悪いのです。「なんで怒らなかったんだろう」という後悔は、惨めな気持ちになって長く続きます。 怒りを抑えてばかりいると、この惨めな気持ちにも慣れてしまいます。敗北感に慣らされてしまうのです。わたしはこれがいちばん怖いと思っています。

27. 筆者の考えに合うものはどれか。

1. 怒りの原因を明らかにしたいなら、怒りをごまかさないほうがいい。

2. 怒りを抑えていると、ますます怒りが増してしまう。

3. 自分が間違っていないと思うなら、怒りを抑えなくていい。

4. 自分が間違っていると気づけば、怒りは長く続かない。

(4) 専門家・研究者やマスコミにはごみ問題や斜面林や里山などの破壊といった身近な環境問題を注視せず、いくつかの代表的な環境問題ばかりを取り扱う傾向が強い。マスコミなどが注目する環境問題に取り込んでいることが、専門家の専門性を誇示し、専門家としてのステータスを維持させることにつながっているように見える。環境問題が話題性の高いものに特化されることは、日常的な環境問題が大部分の専門家・研究者から無視され、放置されることになる。 (注)里山:人家の近くにあって、人の生活と関係が深い森林や山。

28. 筆者は、専門家・研究者の環境問題への取り組みをどのようにとらえているか。

1. 専門性を生かして日常的な環境問題の解決を図っている。

2. マスコミが注目している問題に特化して研究を進めている。

3. 社会的に注目されている身近な課題に積極的に取り込んでいる。

4. マスコミと連携してあまり注目されない問題を取り上げている。

(1) 人をその気にさせようとしているときに、相手方反論されることがあります。むしろ反論されることの方が多いと言えるでしょう。反論されると、それで「ああ、そのきがないのか」と諦めてしまう人がいます。しかし、反論されただけで諦めていてはいけません。反論されると言うことは、承諾してもらうためにクリアすべき点が明らかにされた、と言うことなのです。むしろブラスに解釈しましょう。反論もせずに去っていってしまう人が最も説得しにくい人です。 (注)その気:そうしようと言う気持ち

29. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 反論されないように、問題点を解決しておいた方がいい。

2. 反論されないと言うことは、相手を説得できたということだ。

3. 反論されたら、相手を説得できる可能性が生まれたと考えていい。

4. 反論されるということは、相手が承諾したことと同じだと言える。

(2) 一般的に工具は、とても合理的にデザインされているはずです。その原則は、世界中どこに行っても変わらないようですが、その合理的デザインの結果は、なぜ国によって全然違ってきます。もちろん素材や加工方法の違いがあって、工具の役割自体が違う場合も多いのですが、はさみやのこぎりのように、全く同じ機能、素材であっても民族独特の美意義の違いがくっきり現れます。そのことは、工具も持つ美しさが、必ずしも合理性からだけ生まれるのではないことを示しているように思います。

30. 工具のデザインについて、筆者の考えに合うのはどれか。

1. 民族独特の美意義が、合理的より優先されている。

2. 民族によって異なる美意義が、素材や加工方法に現れる。

3. 国による違いは、合理的の追求から生まれる。

4. 合理性に加え、民族独特の美意義が反映されている。

(3) 昔もいまも、才能というのは一定の軌道から飛び出してゆく能力のことで、みんなにそんな例外的な能力が備わっていたら、そもそも大地にはりつく農業も、分業で成り立つ産業社会もあり得ない。いつの世も、オ覚のある者が新しいビジネスを起こしてゆくのは事実だが、それをビジネスとして成立させるのは社員の労働と献身であるし、それがなければ起業社の才覚が活きることもない。

31. 才覚のある人について、この文章ではどのように述べられているか。

1. 優秀な能力を使って、社員を率いてゆく責任がある。

2. 人並びった能力をビジネスに活かすことが必要である。

3. 誰の助けを借りることもなく、企業を成功に導くことができる。

4. 他者の支えによって初めて能力をビジネスに活用することができる。

(4) 日記とは限りなく私的な記録であり、読者が存在しないどころか、他人には読まれたくない秘密の表現であるともいえる。 ただ一人だけ奇妙な読者が存在する。いつでも自由に日記を読むことのできる日記の筆者である。その読者は筆者とは異なる場に立って様々な配慮を動かす。万が一、日記が盗み読まれたり(注)、死後に他人の目に曝されるような事態が発生した場合、こんなことが、書かれているのはまずいのではあるまいか、等々と。しかし、 これは限りなく私的な記録である筈の日記にとっては矛盾である。 (注)盗み読む:他の人の日記や手紙などをこっそり読む

32. 矛盾であるとあるが、何が矛盾か。

1. 他人に読まれる可能性のある日記に秘密を書き残すこと。

2. 日記の筆者が他人に読まれることを想定すること。

3. 日記は筆者しか読まないのに、他人にも読みやすく書くこと。

4. 日記は私的なものなのに、他人に自由に読まれるかもしれないこと。

(1) 昨今の雑誌はあまりにもレイアウトに凝りすぎる。最初に倉庫をこまかく仕切っておいて、それに合わせて原稿を作るから、読んでいても書いていても息苦しい。デザイナーは設計図に合わせて材料に手を加える。足りなければ増やし、はみ出せば切りちぢめる。でも編集者はちがう。編集とは本来、すでにある材料をそのまま組み合わせ、そのことによって新しい意味の深さやひろがりを作り出す作業なのだ。私はデザイナーではなく編集者がつくった雑誌が読みたい。

33. 筆者が読みたい雑誌はどのようなものか。

1. 凝ったレイアウトによって読みやすい誌面になったもの

2. 材料の組み合わせによって新しい意味を持たせたもの

3. 材料が加工されて内容に深み増やしたもの

4. レイアウトに合わせて内容が調整されたもの

(2) 並木は四季折々に変化する自然の壁である。葉を落として列柱のような状態にあったり、花を咲かせて賑やかなトンネル状の壁を作ったり、葉を繁らせて密な緑陰の壁になったりする。この連続、柔らかな透けた壁が、どれほど街並みの一体化に役立っているか、まとまりがなく不揃いな街路も、並木によってまとめられ、緩やかな連結を成功させている例など、数え上げればきりがないのである。

34. 筆者は、並木の効果は何だと述べているか。

1. 縁があることで、街全体が脈やかに感じられること

2. 縁を求めて集まることで、住民のつながりが強まること

3. 木々の壁があることで、街が一つに整った状態になること

4. 自然の壁がその色を変えることで、季節の変化を楽しめること

(3) わたしが幼児期から青年期までを過ごした半世紀前の「日本」は現在の「日本」から見れば「外国」である。あるいはわたしにとっての「母国」はすでにどこかに消え去って、今のわたしは馴れない「外国暮らし」をしているのかもしれぬ。国名だけはかわっていないが、一つの「時代」は「外国」で有り、そこにあるのはあきらかに「異文化」なのである。

35. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 「時代」が変わると文化がかわりに、自国も外国のように感じられる。

2. 半世紀前より、外国の文化に接することが増えたように感じられる。

3. 昔の文化が「時代」とともに消え去っていくのは、惜しいと感じられる。

4. 外国で暮らしているのに、まるで半世紀前の母国にいるように感じられる。

(4) 筆者がレコード会社の宣伝担当者から聞いた言葉に「流行っていると思わせれば、本当に流行る」というのがある。こうした宣伝の場面において音楽産業が力を注ぐのは「事実」ではなく「買い手にそう思わせること」、つまり「認識の形成」である。こうした手法を音楽産業は「夢を売る」とよく呼ぶ。つまり音楽産業は買い手がほしがる「ファンタジー」を先んじてキャッチし、商品化し、売ることに長けている。 (注1)ファンタジー:幻想 (注2)先んじて:ここでは、誰よりも早く (注3)長けている:優れている

36. 「夢を売る」とはどういうことか。

1. 買い手に買いたいとおもわせるようにする。

2. 買い手の好む宣伝手法を取り入れる。

3. 買い手の希望を聞いて具体的な形にする。

4. 買い手より先に流行をつかむようにする。

(1) 自分の経験や無意識の枠にとらわれている(注)と、想像カはふくらまない。だからその枠を取り除くことが、想像力を鍛えるひとつのポイントになるだろう。 とはいえ、いままでの経験や考えによって無意識につくられてしまった枠はだれもがもっていて、それはもうしかたがないものだ。 その枠は、人生や経験の中でつくりあげてきたもので、その人の個性や人柄、物差しや基準になるわけだから、枠はあってもいい。ただ、必要なときには意識してそれをはずせることが大切だ。 (注)とらわれる:ここでは、こだわりすぎる

37. 想像力を鍛えることについて、筆者はどのように考えているか。

1. 経験からつくられた枠を捨てなければいけない。

2. 経験からつくられた枠を意識しないことが大切だ。

3. 経験からつくられた枠を取り除けることが大切だ。

4. 経験を積み重ねて枠をより強いものにしなければいけない。

(2) 人間の最も根源的な欲求から生まれる住まいとは、そこに住む人々の生活や気候風土の違いがそのままに表れる土着の(注)ものでした。世界各地にある土着の住まいを眺めてみると、ときに驚くような表現のものもあり、改めて人間の生活の多様な在り方に気づかされます。それらは現代的価値観からすると確かに前近代的で非合理なものに見えるかもしれません。しかし、私はそこに人々の生きること、住まうことへの欲求の切実さ故の力強さと、現代の私達の住環境にはない素朴な豊かさを感じるのです。 (注)土着の:その土地に根づいている。

38. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 世界各地にある近代的な住まいには、力強さと豊かさが感じられる。

2. その土地にもとからある住まいには、人間本来の欲求が表れている。

3. 人間の根源的な欲求から生まれた住まいは、生活の多様さに対応できない。

4. 生きること、住まうことへの欲求は、その土地の生活や気候風土に影響さ れない。

(3) 労働はモノをつくり出すために体に労苦(注1)を強いるので、苦しい部分を併せ持っています。ただ、その活動を通じて社会とのつながりを感じることができれば喜びにも転化します(注2)。そんな喜びの部分を削り取られ、苦役(注3)だけが残る状態が広がっている現実を、どう食い止めていくかは大きな課題です。喜びを感じられない働き方なのに「働くことは喜びだ!」と建前で押し切ろうとしたり、「働くのが怖い」と背中を向けたりの二者択一でなく、苦しさと喜びのバランスの回復を求めて、働き方の改善を求めていくことが必要です。 (注1)労苦:ここでは、負担 (注2)転化する:変わる (注3)苦役:苦しくつらい労働

39. この文章で筆者が言いたいことは何か。

1. 喜びを感じられても、社会とのつながりが感じられない働き方は見直すべきだ。

2. 働く喜びを得るには、苦しさに立ち向かっていかなければならない。

3. 苦しさを感じないで済むように、働き方の改善を求めていかなければならない。

4. 苦しさを受け止めつつ、喜びが感じられるような働き方を目指すべきだ。

(4) 情報化社会では、その情報化が進めば進むほど、買い手は商品選択において困るというジレンマをかかえてしまう。企業情報や商品情報が増えると、その実態を推し量る(注)ことが難しくなるので、大量の情報を包括する代表的な名前や記号やスローガンによってその優劣を判断し、それらを手がかりに選択のリスクを軽減しようとする。この記号にあたるものがブランドで、ブランド戦略が注目を浴びてきた背景には、情報社会の進展がある。 (注)推し量る:推測する

40. 情報化社会におけるブランドについて、筆者はどのように述べているか。

1. 買い手の購買意欲を高めるきっかけになっている。

2. 買い手の商品選択におけるジレンマを増大させている。

3. 買い手が商品を選択する際の判断材料になっている。

4. 企業や商品の情報が買い手に誤って伝わるリスクを軽減している。

(1) 以下は、ある会社がホームページに掲載したお知らせである。 株式会社フジハルク→お客様へ大切なお知らせ 2019年10月1日 株式会社フジハルク 家庭用エアコン「A42-C4」の再修理のお知らせ 日頃は弊社製品をご愛用いただき、厚く御礼申し上げます。 この度、家庭用エアコン「A42-C4」について、弊社が2019年4月から8月の間に行ったホース修理の際に使用した金具に不具合があることが判明しました。そのため、その期間に修理をした製品に対して再修理を実施させていただくことになりました。 つきましては、再修理の対象となるお客様には、弊社製品の修理を行っております関連会社「FHエンジ ニア」より直接電話にてご連絡させていただきます。 なお、本件に関するお問い合わせは、弊社お客様センターまでお願いいたします。 お客様には大変ご迷惑とお手数をおかけしますことを深くおわびいたします。何卒ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。 株式会社フジハルクお客様センター:0120-333-4585(受付時間10:00-18:00 土日祝休み)

41. 「A42-C4」の再修理について、このお知らせで伝えたいことは何か。

1. 再修理の対象となる人はお客様センターに連絡してほしい。

2. 該当する期間にホース修理をした人に、関連会社から連絡がある。

3. 該当する期間にホース修理をして、その後不具合が生じた人は、お客様センターに連絡してほしい。

4. 該当する期間以外にホース修理をした人に、関連会社から連絡がある。

(2) 目的地を目指して走るだけでは、人生というのはもったいないのではないか。私は散歩することが好きなのだが、散歩というのは、ゴールをめざして邁進することの対極(注)にある。むしろ目的に縛られていたのでは見えてこないものへと心を開いていなければいけない。ちょっとした季節の移り変わり、鳥の声、ここちよい風。店先からパンを焼くにおいなどが漂ってくると、それだけで幸せな気持ちになる。人生にも、こんな味わいがあるだろう。 (注)対極:反対の位置

42. 筆者が言いたいことは何か。

1. 目的を持っていては、豊かな人生が送れない。

2. 目的を一つだけに限定しなければ、充実した人生になる。

3. 目的の達成ばかりを考えていては、人生を十分に味わえない。

4. 目的が達成できなくても、自然を感じて生きれば幸せな気持ちになる。

(3) 子どもたちは、教師から「自分で考えなさい」「人の真似をしてはいけません」ということを明示的にも、暗黙的にも示されると、「人の真似ではない」という「真似」をすることを学ぶようになる。例えば、自分自身の気持ちとは裏腹に、あえて「人とは異なる発言、あるいは行動をする」ことを学んでいく。この学びが模倣ではないとどうして言えようか。一見個性的、一見創造的に見える仮面をつけた模倣は、明らかな「形」の模倣とは異なる故に、その実体が見えにくい。

43. 仮面をつけた模倣とは、どのようなものか。

1. 誰の真似もしていないように見える模倣。

2. 教師の真似をしているように見える模倣。

3. 自分の気持ちに反してする模倣。

4. 実体を見せないための模倣。

(4) かつては「必要は発明の母」であった。技術は物質的な欲望から出発したのは事実だが、「必要」という精神の飢えが「発明」という物質的生産へと導いたことを忘れてはならない。精神が物質をコントロールしていたのだ。しかし、現代は「発明は必要の母」となった。「発明」品を改良して新たな機能を付加することにより、人々に「必要」であったと錯覚させ、消費を加速したのである。必要と発明の関係が逆転し、物質が精神を先導するようになったと言える。

44. 筆者によると、現代とはどういう時代か。

1. 人間は、「必要」な物は何でも「発明」できると錯覚している。

2. 人間は物質的に豊かになったのに、新たな「発明」品を求め続けている。

3. 「発明」された物によって、人間の精神が影響を受けている。

4. 「発明」品は、人間の精神の飢えを満たすために改良され続けている。

(1) 人生やビジネスに目標を持つべきだ、というようなことが最近よく言われるが、わたしはそういう言い方に違和感を覚える。目標というものは、「持つべきだ」とか「持ったほうがいい」ものではなく、「持たなければいけない」とわざわざ啓蒙するものでもない。人生のあらゆる局面における「前提」なので、そのことがコンセンサス(注)になっている社会では、目標を持つことについて語られることはないからだ。 (注)コンセンサス:ここでは、共通の理解

45. 目標について、筆者の考えに合うのはどれか。

1. 目標は必ずしも持たなくてよい。

2. 目標は持っているのが当然である。

3. 目標は持ちたいと思って持てるものではない。

4. 目標を持っていても成功するとは限らない。

(2) 以下は、恥じらい(注)の表情と喜びの表情の違いについて述べた文章である。 心理学者のアゼンドルフは、恥じらいと喜びの表情をいろいろ集めて分析した結果、微笑みが最高潮に達する時期と視線を伏せる時期との微妙なタイミングのズレが鍵であることを突き止めた。すなわち、微笑みがピークに達する一秒ほど前に視線が伏せられると恥じらいの表情として見えるが、ピークに達した直後に目が伏せられるとそれは喜びの表情と判断されるというのだ。 試しに、鏡に向かってやってみていただきたい。違いが分かるだろう。 (注)恥じらい:恥ずかしがること

46. 恥じらいと喜びの表情はどの点で違うか。

1. 微笑みがピークに達するまでの時間が速いか遅いか

2. 微笑む直前の視線の動きが上か下か

3. 視線を伏せるのが微笑みのピークの前か後か

4. 視線を伏せている時間が長いか短いか

(3) 「今」の勝負、つまり本番に弱いというひとは、失敗を恐れる気持ちがつよいのだとおもう。誰しも失敗は望まないが、人並み以上に失敗を恐れるのは、皮肉にも精度の高い到達イメージ、完成形が描けている結果だともいえる。 完全なものへの願望は融通に欠ける到達のイメージパンパンを縛ってしまうので、「今」起こっている現実そのものに合わせていくという柔軟な態度をゆるさない。予定どおりでないにしろ、その場で、なんとかやり過ごせる(注)、間に合わせられる、という行動が本番では求められているのだ。 (注)やり過ごす:ここでは、切り抜ける

47. 筆者によると、本番に弱いひとはどうすればいいか。

1. 事前に描いた完成形にこだわらず、現実に合わせて対応する。

2. 事前に完成形を描かずに、あらゆる事態に備える。

3. 到達イメージを意識しつつ、失敗を恐れない気持ちで臨む。

4. 精度の高い到達イメージに行動を合わせるようにする。

(4) 日頃の他者とのつきあいでは、相手の一言一言が嘘だと疑ってかかっているわけではない。いちいちそんなふうに接したら失礼にあたる。つまり「性善説」(注)をデフォルト(基本)として相手と接するのが普通だろう。相手の発言は真実だと思ってそれを基準に判断するから、それを嘘だろうと見直すのは難しい。そうすると、仮に多少不自然な言い方やしぐさがあったとしても、そしてそれが実際に嘘の手がかりとして有効であったとしても、見落としてしまう可能性がある。 (注)性善説:人間は生まれつき善い人だという考え方

48. 見落としてしまう可能性があるのはなぜか。

1. 普通相手は嘘をつかないと思っているから。

2. 相手を疑うのは失礼だと教えられてきたから。

3. 嘘かどうかを判断する基準を持つのは難しいから。

4. 嘘を見つける有効な手がかりが見つからないから。

(1) 人間だとすれば、スピードが最優先されるネット(注1)では、熟考する、内省する、深く考えるという、言葉による人間的な営為(注2)がないがしろにされはじめているのではないか。もしもこれからの社会が、ネット上を流れる言葉を主軸に営まれるようになると、人にとっての言葉とは、鮮度が重視の生鮮食品のようなものになってしまうかもしれません。そこに思考の積み重ねや成熟、歴史といったものは不必要です。 (注1)ネット:ここでは、インターネット (注2)営為:行い

49. 筆者が心配していることは何か。

1. 新しい言葉が世の中にあふれてしまうこと。

2. スピードを優先するあまり誤った判断をしてしまうこと。

3. 思考を深める行為が軽んじられるようになること。

4. 思考に時間がかかってインターネットのスピードに追いつかないこと。

(2) 以下は、取引先から送られてきたメールである。 日本留学沖竹 株式会社営業部 戸田安文様 いつもお世話になっております。 10 月分の請求書のすご送付、ありがとうございます。10月9日にファクス文書にてご連絡いたしましたように、弊社では10月分より、請求書を各部署の担当者経由ではなく、経理部で直接受け付けることになりました。今後は資材管理部・横井ではなく、経理部・長野あてにご送付願います。今回ご送付いただいた請求書はこちらで処理いたしますので、11月分よりご対応をよろしくお願いいたします。 2018年11月6日 株式会社イスキホーム 資材管理部 横井給未 電話:07-8756-1324 メールアドレス: e_yokoi@isukihome. co. jp

50. このメールで最も伝えたいことは何か。。

1. 10月分の請求書を経理部の担当者あてに再度送るようにしてほしい

2. 10月から資材管理部の担当者が変わったので、請求書の送付先に注意してほしい。

3. 11月分から請求書の受け付け方法が変わるので注意してほしい。

4. 11月分の請求書からは経理部の担当者あてに送るようにしてほしい。

(3) 「とにかく教師は生徒に向き合うべきだ」という考えには、子どもを「指導」してやろうという、プロを自任する教師の、ある種思いあがった気持ちがあります。そんなことをしなくても、毎日後ろ姿を見ていて、子どもとい先生を見抜くまで目分の好きな先生を見つけて、勝手に影響を受けていくのです。それを、両き合って何かを伝えようとか、道徳的な影響を与えようなどとするから、偽の厳粛さが生まれ、子どもに嫌な圧迫感を与えるのです。

51. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 教師は自身の指導力を過信しないほうがいい。

2. 教師は生徒ではなく自分自身と向き合うべきだ。

3. 教師は生徒に影響を与えようと思わないほうがいい。

4. 教師は生徒に仕事に取り組む姿勢を積極的に見せるべきだ。

(4) 効率は、幾多ある価値尺度のひとつに過ぎない。けれども現代では、効率が良いことには突出した評価が与えられている。また、効率は、動勉さと結びついているから、倫理的な価値をも帯びている。そのため、ほとんどの時間を効率で価値判断する傾向が強くなる。1日の価値は、その日にどれだけのことができたのかによって計られるようになる。考えてみれば不思議なことだが、生活の一側面でしかない生産の場で有効な指標が、ほかの側面にまで拡張して適用されるようになるのだ。

52. 筆者の言いたいことは何か。

1. 生活の多くの側面を効率で評価するのには違和感がある。

2. 効率を勤勉さと結びつけて考えるのには違和感がある。

3. 効率は現代社会を評価するのに有効な指標である。

4. 効率は倫理的な価値を評価する重要な尺度である

(1) 以下は、ある企業がホームページに掲載したお知らせである。 関川薬品工業株式会社お知らせ 2017.06.01 重要なお知らせ すでにお知らせしておりますとおり、西山営業所は5月31日(水)より転先に業務を再開しております。しかしながら、移転作業時にファクス機に故障が生じ、本日(6月1日)現在もファクスの送受信ができません。 復旧までは下記の電話もしくはメールをご利用ください。なお、ファクス機が復旧し次第、こちらのホームページ上でお知らせいたします。 関係者の皆様には大変ご迷惑をお掛けし申し訳ございませんが、何卒よろしくお願いいたします。 電話番号:020-428-4319 Eメール:info@sekikawa.com

53. 西山営業所について、このお知らせで最も伝えたいことは何か。

1. 移転が完了し、5月31日から業務を再開している。

2. 移転が完了したので、電話とメールは使える。

3. ファクス機が復旧し次第、業務を再開する。

4. ファクス機は不調だが、電話とメールは使える。

(2) 以下は、動物園の飼育環境について書かれたものである。 動物たちにとって飼育係は大事な環境要因である。展示場としての環境の改善だけでは、動物たちの飼育環境の真の改良にはならない。日々動物と接触する飼育係は、時として動物たちのストレス源になることがある。飼育係がストレス源にならないためには動物をよく観察し、行動に合わせた世話をし、その動物の種としての特徴、個体としての性格を知らなければならない。 (小宮輝之『物語上野動物園の歴史』による)

54. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 動物たちにとって、飼育係との関係は展示場の改善よりも重要である。

2. 飼育環境を改善しても、動物にストレスがたまることがある。

3. 飼育環境の改善には、飼育係が動物の特徴や性格を把握することも重要である。

4. 飼育係の使命は、動物の特徴や性格に合った展示場を作ることである。

(3) 人と人とのコミュニケーションが希薄化していると言われる今日、それを如何に円滑に、如何に真意を外さずに行うかは、誰にとっても大きな課題だ。 時に人は「力」によって他者を動かそうとする。あるいは「経済力」が人を動かす手段ともなる。企業という組織では、「役職=ポジション」を使って人を動かすケースも多い。 だがそういった「上意下達」(注1)「弱肉強食」のコミュニケーションでは、人は本質的な満足は得られない。人が人である所以(注2)は、力対力の拮抗ではなく、他者との「共感」によって「動く」「動かす」ことができる点にある。 (佐渡谷・辻秀一 『感じて動く』による) (注1)上意下達:上に立つ者の考えや命令を下位の者へ伝えること (注2)所以:理由

55. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 企業では「共感」によるコミュニケーションで人を動かしている。

2. 企業では「役職」を使って人を動かすことも考えるべきだ。

3. 人は本質的な満足が得られると確信しない限り動かない。

4. 人は「力」より「共感」によって動こうとする。

(4) 人間には、道具をつくり、その道の具に適応しようとする性質がある。そしてその道具に適応し過ぎてしまうことで、本来の人間の能力を削がれて(注1)しまうことがある。その適応力が仇(注2)となり、人間がつくった道具により人間が左右される。まるで、人間がつくった道具に人間がつくられてしまうかのように。歩きながらでもスマートフォン(注3)を使いたいという欲求にかられ、挙げ句に視野を大きくそこへ奪われ、自ら、そして他者をも危険な状況に追い込んでしまう。これもその現象のひとつだ。 (小川和也『デジタルは人間を奪うのか』による) (注1)削ぐ:削る。 (注2)他:ここでは、害 (注3)スマートフォン: パソコンの機能もある携帯電話

56. その現象とはどのような現象のことか。

1. 道具によって人間が便利さに鈍感になる現象

2. 道具によって人間が振り回されている現象

3. 道具が人間にとって危険なものになる現象

4. 道具の発展が人間の欲求を拡大させる現象

(1) 田川優子様 この度はトラベルライトをご利用いただきありがとうこざいます。 弊社ホームページよりお申し込みいただいた「小型飛行機で行く暁島」(12月9日発)は、航空券の発売がご搭乗日1か月前からとなるため、現時点では仮予約になっております。こ希望の便が確保できましたら、田川様のご自宅宛あてに確認書をお送りします。 万が一、こ希望に添えなかった場合は、別の便をご提案させていただくこともございます。何とぞご了承ください。 それでは、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。 2017年9月10日 株式会社トラベルライト(担当中村) 電話:024-881-6456(平日10~19時・土日祝9~18時) メールアドレス:toiawase@travellight.co.jp

57. このメールで最も伝えたいことは何か。

1. 航空券仮予約の確認者を近日中に送ること

2. 航空券の予約はまだ確定していないこと

3. 航空券の手配に必要な情報が足りないこと

4. 航空券が手配できないので別の便を提案したいこと

(2) あらゆる仕事はなんらかの形で、その人を世界の中に位置づける。畑仕事のような個人作業でもそうだ。自然のサイクルの中に、自分の存在を確かめることができる。人はどんなに大金持ちになっても、なんらかの形で働こうとする生き物だろう。お金持ちはお金持ちなりの仕事を、自分でつくり出すはずだ。それは人間が、外の世界との関わり合いを通じてしか自分が存在する実感を得ることができず、またそれを常に渇望かつぼう(注)していることを示している。 (注)渇望かつぼうする:強く望む

58. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 世界に存在するあらゆる仕事には、それぞれの価値がある。

2. 自然の中で働き、自身の存在を確認することが大切だ。

3. 人はどんなに豊かになっても、働くことをやめてはいけない。

4. 人は仕事を通じて、自身が存在する意義を実感できる。

(3) 「すべての歴史は現代史である。」この有名な言葉が示す内容は、われわれが史料(注1)に対した場合、けっきょく史料をとおして過去を見るのは、ほかならぬ現在のわれわれであり現在の眼である、ということである。 われわれは、公平無私に(注2)、また古い時代の人の心になって対処しようとしても、われわれが生きている現在の時代の人間である、ということから脱出することはできないからである。要するに歴史学は、こうした性格をもった学問である。 (注1)史料:歴史研究のために必要な文献や遺物など (注2)公平無私に:私的な感情を持たずに公平に

59. 筆者によると、歴史学とはどのようなものか。

1. 史料の分析をとおして現代史を解明するもの

2. 白い時代の人々の立場に立って研究するもの

3. 過去を現代の人々の視点で解釈するもの

4. 過去を現代史と比較して理解するもの

(4) 人間は古い昔から、「人間とは何か」を問うてきた。けれどそれは、早く言えば「人間は動物とどこがちがうか?」 という問いかけであった。いわく(注)「人間には動物にはない言語がある」、いわく「人間には思想がある」、「人間には文化がある」等々。しかしこの問いかけは、根本的にまちがっていた。問題は「人間は動物とどうちがうか?」 ではなくて、「人間は他の動物とどうちがうか?」ということだったのである。これに答えるには、人間はどういう動物であるかを問う以外にない。 (注)いわく:ここでは、よく言われるように

60. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 言語・思想・文化は、人間だけのものと考えるべきではない。

2. 人間も動物であるという視点で、人間について考えるべきだ。

3. 人間と他の動物とのちがいを問うても意味がない。

4. 人間と動物のちがいを根本的に問い直すべきだ。

(1) 以下は、ある会社の海外駐在員が受け取ったメールである。 ムンバイ工場主任 高城洋二様 お世話になっております。本社秘書課の横山です。 来月の副社長出張のスケジュールに関して以下変更のご直絡です。 8月8日(月)にムンバイ工場視察の予定でしたが、本社にて会議が入り、副社長のムンバイ到着は9日(火)22時となる見込みです。お手数をおかけしますが、視察日程の調整を翌日の後でお願いいたします。また視察後に予定していた、ムンバイ 日本商工会会長の竹内様との面談の調整もお願いいたします。なお、ムンバイ出発は8月12日(金)で変更ありません。 以上、よろしくお願いいたします。 秘書課 横山陽一

61. このメールを受け取った人がしなければならないことは何か。

1. 副社長の工場視察を8月9日に変更し、竹内さんとの面談日程も調整する。

2. 副社長の工場視察と竹内さんとの面談を8月10日以降で再調整する。

3. 副社長の工場視察の日程と帰国日が変更になったことを竹内さんに連絡する。

4. 副社長の工場視察後の面談がキャンセルになったことを竹内さんに連絡する。

(2) 「自分は間違ってない」と思うことから始まる怒りは、当りです。少ししろめたくありません。 むしろ、「間違ってない」と思いながら怒りをごまかしてしまったときのほうが後味は悪いのです。「なんで怒らなかったんだろう」という後悔は、惨めな気持ちになって長く続きます。 怒りを抑えてばかりいると、この惨めな気持ちにも慣れてしまいます。敗北感に慣らされてしまうのです。わたしはこれがいちばん怖いと思っています。 (和田秀樹「腹が立ったら怒りなさい」による)

62. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 怒りの原因を明らかにしたいなら、怒りをごまかさないほうがいい。

2. 怒りを抑えていると、ますます怒りが増してしまう。

3. 自分が間違っていないと思うなら、怒りを抑えなくていい。

4. 自分が間違っていると気づけば、怒りは長く続かない。

(3) 引っ越しというのは、誰にとっても面倒だが、いい面もあるだろう。すなわち、これまでの生活を振り返り、今後望むような生活を思い描きながら、そのために不要なものをどんどん処分する機会である、と。そういう意味では、引っ越しは日常生活を更生させるよいきっかけでもあるはずだ。 私はいつもそのきっかけを活かしたいと思いながらも、なかなか実行するに至らない。むしろ何十年も、まるで亀のごとく重い物を背負いながら転々としてきたわけである。 (マイク・モラスキー 日本経済新聞2014年3月25日付夕刊による)

63. 引っ越しについて、筆者はどのように述べているか。

1. 不要なものを捨てる機会であり、自分もそのための引っ越しを何度もしている。

2. 望むような生活をするためであり、自分もいい場所があれば引っ越しをしたい。

3. 生活を一新する機会だが、自分は引っ越しをしてもそれを活かせていない。

4. いい面もあるが、自分は面倒であまり引っ越しをしていない。

(4) いま人間の欲望がいろいろと問題になっているのは、それが余りにも脹らみすぎて、欲望の充足それ自体が目的と化し、本来の意味、つまり私たちの必要を満たし、私たちに心身の安定とやすらぎ(幸福)をもたらす範囲を遥かに逸脱してしまったことにある。 私たちの多くはこの過度に肥大した欲望ゆえに、日々を楽しく過せるどころか、絶えざる欲求不満に苛まれるという不幸な状態に陥っている。 (本学大「人にはどれだけの物が必要のミニマム生活のすすめ」による)

64. 欲望について、筆者はどのように述べているか

1. 欲望が満たされたため、本当に必要なものかわからなくなっている。

2. 欲望が簡単に満たされるために、日々の楽しみが失われている。

3. 欲望が脹らみすぎて、欲望を満たすことをあきらめるようになっている。

4. 欲望が脹らみすぎたため、幸福が感じられなくなっている。

(1) 教師 = 話す人、生徒 = 聴く人という構造が知らずのうちに教室空間にできあがり、そして固定化してしまうのは恐ろしいことではないかと思う。教師が先取りしてしまうことで、生徒が自分自身で考え、解決しようとする芽をつみとってしまう場合がある。いつも話し続けるのがコミュニケーションでない。教師側が沈黙し、「待つ」という行為も時には大切であろう。もう少し話したい、と思うところで一歩ひいてみる(注)ことで、相手が言おうとすることを引き出すことができるのである。 (徳井厚子 『日本語教師の「衣」再考一多文化共生への課題』による) (注)一歩ひいてみる:ここでは、話すのをやめてみる

65. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 教師と生徒が自由に発言し合うことも必要だ。

2. 教師は生徒の考えを想像するべきだ。

3. 教師は生徒の発言を待つことも必要だ。

4. 教師は生徒に沈黙の時間を与えないようにすべきだ。

(2) 以下は、ある市役所のホームページに掲載されたお知らせである。 2016 年 11月1日 スポーツ課 市民運動場の予約について 市民運動場の予約は、これまで管理事務所窓口で受け付けておりましたが、2017年2月1日よりインターネット上の予約システムでも行うことができるようになります。予約システムの利用は平日、土日祝日を問わず24時間可能で、予約は、窓口での予約と同様に、使用日の一か月前から受け付けます。 予約システムの利用に際しては、事前に利用者登録が必要となりますので、身分を証明できるものを持って管理事務所窓口にお越しください。 市民運動場管理事務所 〒002-3833 南松市中央町3-2 中央公園内 (受付時間:月曜日~金曜日 9:00~17:00)

66. 市民運動場の予約について、このお知らせは何を知らせているか。

1. 管理事務所窓口での予約受付期間が変更になること。

2. 管理事務所窓口で利用者登録をすれば、インターネット上で予約ができるようになること。

3. インターネット上での予約受付時間がこれまでより長くなること。

4. インターネット上の予約システムの導入により、管理事務所窓口での予約ができなくなること。

(3) 異文化間での対話を議論するときに、必ずといってよいくらい出てくるのが、価値観の理解と共有である。他者と対話を通して、人間関係を樹立していくには、自己の価値観を保存したままで、他者の価値観を理解するという方略だけでは十分ではない。相互的な働きかけを通じて、何か新たな価値を共有することが要求されるのである。すなわち、自らの価値観を相対化し、新たな価値を対話という共同作業を通して創り上げ、それを共有していく態度が必要なのだ。 (ARCLE 編集委員会・田中茂範・アレン玉井光江・根岸雅史・吉田研作編著『幼児から成人まで一貫した英語教育のための枠組み―ECF-English Curriculum Framework』による)

67. 筆者によると、異文化間で対話を通して人間関係を築く上で最も大切なことは何か。

1. 自己の価値観を理解してもらおうとする態度。

2. 自己の価値観を保ちながら、他者の価値観を理解する態度。

3. 他者と自己の共通の価値観を創り上げていく態度。

4. 他者の価値観の中に自己の価値観との共通点を見つける態度。

(4) 以下は、劇を作ることを仕事にしている人が書いた文章である。 僕は「変な人」です。そうでなければ、こんな仕事はしてません。そして僕は「普通の人」です。だからこそこの仕事が成立しています。「特別なもの」を生み出そうとするとき、それがどんなふうに特別なのかを「普通」という視点から見極める必要があります。「特別」と「普通」、定規を何度も持ち替えるのです。そのために自分の中の普通さを死守するのです。 (小林賢太郎『僕がコントや演劇のために考えていること』による)

68. この文章で筆者が述べていることは何か。

1. 「普通」という視点がないと、「特別なもの」は作れない。

2. 「普通の人」が普通のものを作ると、「特別なもの」になる。

3. 「変な人」が普通のものを作ると、「特別なもの」になる。

4. 「変な人」の視点でしか、「特別なもの」は作れない。

(1) 「できる人のモノサシ」は、ごく一部であるエリートにしか通用しません。でも大多数に属している平凡な自分がもつ「ふつうのモノサシ」は、世の中の多くの人に通用するモノサシです。その「ふつうのモノサシ」からこそ、多くの人に共感されるヒット商品が生み出せると思うのです。 自分は平凡だとか、つまらない人間だと思っている人にこそ、「売れる発想」がわき、「売れるシナリオ」が組み立てられ、「売れる商品」を作れるのではないか。私はそんなふうに考えています。 (吉川美樹『半径1メートルの「売れるり発想術』による)

69. 「売れる商品」を作れるとあるが、なぜか。

1. 平凡な人は自身のモノサシを大多数の人に合わせて変えられるから

2. 平凡な人は自身のモノサシが世の中に通用すると理解しているから

3. 平凡な人はエリートより独創的なモノサシをもっているから

4. 平凡な人は大多数の人に受け入れられるモノサシをもっているから

(2) グーテンベルクの活版印刷革命から約500年、今世紀、デジタル技術による情報爆発の時代が始まった。だれもが発信者になるインターネット世界で、すでに情報は飽和している。すると、「いかに蓄積された情報を統合的に再利用するか」がキー(注)になる。大量に蓄積された情報の中から重要なものを発掘して新たな創造に結びつけていく技術。それは古代から書物を大量に蓄積し、索引検索によって利用できるようにしてきた図書館の基本システムそのものだ。図書館は、私たちが思っているよりはるかに 未来的なものだ。 (朝日新聞グロープ2013年8月18日付による) (注)キー:ここでは、重要な点

70. 未来的とあるが、どのような点が未来的なのか。

1. インターネット世界よりも情報を検索する仕組みが優れている点

2. インターネット世界と同様に情報の蓄積と検索の仕組みがある点

3. インターネット世界と同様にだれもが自由自在に情報を検索できる点

4. インターネット世界では見られない古代からの情報を蓄積している点

(3) 職業として芸術家や学者、あるいは創造にかかわるひとびととは生涯コドモとしての部分がその作品をつくる。その部分の水分が蒸発せぬよう心がけねばならないが、このことは生活人のすべてに通じることである。万人にとって感動のある人生を送るためには、自分のなかのコドモを蒸発させてはならない。じつをいうと、この世のたいていの職業は、オトナの部分で成立している。とくに法律や経理のビジネスの分野はそうである。ところが、うれしいことに、そういう職業人のなかに豊潤な鑑賞家や趣味人が多い。 (司馬遼太郎『風塵抄』による)

71. うれしいことにとあるが、何がうれしいのか。

1. この世のたいていの職業は、コドモの部分も必要としていること

2. コドモの部分で成立している職業の人は、感動のある人生を送れること

3. コドモの部分を持っていれば、オトナの部分で成立している職業に就けること

4. オトナの部分で成立している職業の人でも、コドモの部分を持ち続けていること

(4) 我々は裸の眼でものを見ているように思っているが、実際そうではない。我々は、常識という色眼鏡でものを見ている。そして、常識を作ったのは、過去の偉大な人間であり、その偉大な人間はある学問や芸術を創り出し、そして、新しく世界を見る眼を我々に教えた。その眼が歴史的に我々に伝承され、我々はその眼でもって、ものを見、しかも裸の眼でものを見ていると思っている。しかし、一つの眼である限り、そかは世界を歪んで見ているのである。その眼からはどうしても見えない何かがあるのでる。 (梅原猛『饗宴一梅原猛随想、と対話』による)

72. この文章で筆者が述べていることは何か。

1. 我々は裸の眼でものを見ている限り、世界のすべてを見ることはできない。

2. 我々は過去の偉大な人間と同じ見方で世界を見ていると思い込んでいる。

3. 我々は常識に縛られているために、見えるものが限られている。

4. 我々は常識という色眼鏡を外して裸の眼で世界を見るべきだ。

(1) 無駄なものを早めに見極め、優先度をつけ、いかにスピーディーに仕事をこなしていくか。それが賢く成果を出す方法だ。目の前の先輩たちも、そうやって働いている人も多いのではないかと思います。 でも、そうした人たちの問題点は、仕事の判断軸が自分になるということです。結局自分が効率的に働けるか、自分が求められている仕事量を時間内にこなせるかが最大の判断軸になっていくのです。 すると、できる範囲のこと、無理のないことに収まっていってしまうのです。 (高橋克校『「上司がさっぱりわかってくれない」と思っているあなたへ』による)

73. この文章で筆者が言いたいことは何か。

1. 無駄を見極められなければ、自分に求められている仕事をこなせなくなる。

2. 成果を出すことばかりを考えていると、自分の基準を人にも求めるようになる。

3. 効率性を重視しすぎると、自分が求められている仕事がわからなくなる。

4. 効率的に働くことばかりを考えていると、自分にできる仕事しかしなくなる。

(2) 以下は、ある会社で回覧された文書である。 2015年12月1日 社員各位 年末年始休業に伴う出張経費精算書類の提出について 出張経費精算書類の12月の受付は月末ではなく25日(金)までとなります。25日までに受理した書類については、1月末日に各人の個人口座に振り込みます。25日を過ぎたものについては、2月末日の振り込みとなりますのでご了承ください。領収書の添付漏れや記載ミスへの対応も業務再開後となりますので併せてご了承ください。 なお、出張経費精算書類の1月の受付は年末年始休業明けから再開し、締め切りは通常通り月末となります。 以上

74. 出張経費精算書類について、この文書で最も伝えたいことは何か。

1. 12月受付分の振り込みは2月末日になること

2. 12月の受付の締め切りが他の月より早いこと

3. 12月受付書類の不備への対応は12月中にはできないこと

4. 12月25日までに年内出張分を提出しなければならないこと

(3) コンピュータ化の進行とともに、記憶力のみならず、計算力とか、情報整理力とか、いくつもの脳の雑用と思われている作業を電脳(注)に負わせるようになった。肉体労働だけでなく、精神労働の負担からも人間を解放し、持てる力をなるべく創造的な仕事に振り向けようというのだろう。しかし、創造力とは何だろう。記憶力や情報整理力など脳の基礎体力の上に成り立つもののような気がしてならないのだ。 (米原万里『心臓に毛が生えている理由』による) (注)電脳:コンピューター

75. この文章で筆者が最も言いたいことは何か。

1. コンピュータ化の進行が、人間を肉体労働から解放する。

2. コンピュータ化の進行とともに、脳の基礎体力を失うことになる。

3. コンピュータに任せている脳の雑用こそが、創造力の土台になる。

4. コンピュータによる精神労働からの解放が、人間を創造的にする。

(4) 誰にとっても、感情とどうつきあうかということはなかなか厄介な問題である。感情とうまくつきあうということは、単に社会的場面での感情表現をうまくコントロールするということではない。むしろ、感情の豊かさや複雑さを通して、またしばしば測りがたく統御(注)しがたい感情の動きを通して、生きることを味わい、人生を活性化しながら、しかも感情の力に支配されないということであろう。 (井上俊・船津衛編『自己と他者の社会学』による) (注)統御する:思いどおりに扱う

76. 感情とのつきあい方について、筆者はどうすればよいと述べているか。

1. 感情と深くかかわりながらも、感情に縛られないようにする。

2. 感情を無理にコントロールせずに、感情に任せるようにする。

3. 感情をコントロールして、感情に流されないようにする。

4. 感情を隠すことも、強く表現することもないようにする。

以下は、ある法律相談会に申し込んだ人に送られてきたメールである。 北原健二様 RST 法律事務所の田中良平と申します。 昨日、当事務所の「無料法律相談会」にメールにてお申し込みいただきましたが、ご予約は電話のみとさせていただいております。お手数をおかけいたしますが、再度お電話にてお申し込みくださいますようお願いいたします。その際、ご相談内容についての簡単な質問をさせていただきますのでご了承ください。 なお、平日夜の時間帯は大変込み合いますので、お早めにお申し込みくださいますようお願いいたします。 RST 法律事務所田中良平。 電話:031-234-5544(平日 10~17時) メールアドレス:rtanaka@rst-houritsu.co.jp ホームページ:http://ww.rst-houritsu.net/consult/html

77. このメールで最も伝えたいことは何か。

1. 申し込みに必要な情報が不足しているので、電話で知らせてほしい。

2. 申し込み方法が間違っているので、改めて申し込みをしてほしい。

3. 電話での申し込み時に相談内容を聞くので、準備しておいてほしい。

4. 平日夜の時間帯は特に込み合うので、早めに予約してほしい。

井上ひさしさんが、「エッセイとはすなわち、自慢話である」といったことを書いていらしたのを、以前読んだことがありますが、私はその文を一読した瞬間、「ああっ!」と叫んで赤面したのでした。 エッセイ=自慢、とはまさにその通り。エッセイを書く仕事をしている私は、心のどこかでそのことを感じつつ、気付かない努力をしていた気がする。 しかしそのようにズバリ言われると、「私は今まで、自慢話によって、口を翻してきたのだなあ」ということが、明確に理解できるのです。 (酒井項子『黒いマナー』による) (注1)井上ひさし:日本の小説家 (注2)赤面する:顔が赤くなる (注3)口を網する:ここでは、生計を立てる

78. 筆者が「ああっ!」と叫んだのはなぜか。

1. 前々から抱いていた自身の思いを先に言われたから

2. だれかに言いたかった自身の気持ちを見抜かれたから

3. 意識しないようにしていた自身の思いを指摘されたから

4. 言葉にできないでいた自身の気持ちをズバリ言われたから

人間の社会的な日常生活は、無数の暗黙の約束を相互に共有することで成り立っています。暗黙というのは、そうした約束が明瞭に意識されたり、どこかにはっきり書かれているわけではないということです。習慣化し、なかば無意識的に守られている社会的な約束事の海に、共に浸かっているから、われわれはこの世界の中に安心して毎日生きていられるのであり、これから何が起きるのか、自分はどう行動したらよいのか、一々思い悩まずにいられるわけです。 (著者代表森亘『異文化への理解』による)

79. 思い悩まずにいられるとあるが、なぜか。

1. 習慣化された社会共通の約束事があるから

2. 社会的な約束事は日常生活で教えられるから

3. 社会でお互いの約束事が意識的に守られているから

4. 習慣や行動に関する約束事を共有する場が持てるから

白色度というのは物理的な指標であって感受性の指標ではない。したがって白色度が高いというだけでは白は印象づけられないのである。咲き乱れる花々の印象は真っ白でも、その背後にコピー用紙程度の紙を置いてみると、花そのものの白さは紙の白さほどではないことに気が付く。花弁は淡い色を含み水分をたたえた2重たい白である。しかし咲き誇る花々が僕らの心に届けてくる白は鮮烈に白い。 (原研哉『白』による) (注1)花弁:花びら (注2)たたえる:ここでは、含む

80. 筆者の考えを表しているのはどれか。

1. 花そのものの白さは物理的な指標で示せない。

2. 花そのものの白さは他の物との比較によって決まる。

3. 花の白さの印象は白色度では説明できない。

4. 花びらより咲き誇る花々のほうが白色度が高い。

(1) 失敗はすべて子どもがその後の人生を大過(注)なく生きるための血となり肉となる。そう思えば失敗する前に手を出すことがいかに愚かな教育かわかろうというものです。ただし親は常に子どもをそばでしっかり見守っていなければなりません。手は出さないけれどいつでも危険から救ってやれるよう待機するのです。そうしてもし子どもが転んでケガをしたら「ほら痛いでしょう。ぶつからないように注意するのよ」と教えてやる。そういう姿勢が親に求められるのです。 (大宅映子『親の常識』による) (注)大過:大きな過ち

81. 筆者が親に対して言いたいことは何か。

1. 子どもが失敗しなくなるまであきらめずに教えることが大切だ。

2. 子どもが失敗しないようあらかじめ教えることが大切だ。

3. 子どもが失敗するまでは何も言わずに見守ることが大切だ。

4. 子どもが失敗したとしてもそのまま見守ることが大切だ。

(2) 以下はある会社がホームページに掲載したお知らせである。 ミツヌマ健康食品株式会社 > ニュース 2014.10.14 健康食品「ビタミン生活V」に関するお知らせ お客様各位 平素は弊社商品にご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、2014年9月8日より通販および弊社直営店舗での販売を開始いたしました「ビタミン生活」 は、情報番組での紹介もあって、当初の販売計画を大幅に上回り、生産が追いつかない状況となっております。そのため、すでに通販での受注を停止しておりますが、店舗販売も在庫がなくなり次第、一時中止せざるを得なくなりました。 今後は生産体制を整え、11月17日に店舗販売のみ再開を予定しております。 お客様にご迷惑をおかけしますことを、深くお詫び申し上げます。 ミツヌマ健康食品株式会社お客様担当係:0120-333-44554 「受付時間 10:00-18:00 土日祝休み」

82. 「ビタミン生活」についてこの文書は何を知らせているか。

1. 通販を一時中止してしばらくの間店舗販売のみ行う。

2. 生産体制が整い次第通販に加え店舗販売も再開する。

3. 在庫不足のため現在は通販および店舗販売を中止している。

4. 販売は一時すべて中止になるが後日店舗販売のみ再開する。

(3) 以下は諦めについて書かれた文章である。 人が自分の能力以上のことに憧れそれがどうしても出来ないというのになお執着を持っているとしたら登れない壁の下で徒らにじたばたしているようなもので気の毒でもありますが滑稽でもあります。この場合は諦めが必要です。ただそれはその次の自分の能力に合った憧れなり道なりを求めるためにのみ必要であって諦めの中に憩ってしまうことは少し見当が外れていることになるかもしれません。 (串田孫一『考える葦』による)

83. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 前へ進みたいなら無理なことに執着せずに諦めることも必要だ。

2. 前へ進めない理由がわからないなら諦めることが必要だ。

3. 能力を超えていると思ってもすぐに諦めてしまっては前へ進めない。

4. 能力に合った憧れや道を求めるなら何事も諦めてはいけない。

(4) 私が35歳になったころ「このごろは少年時代に経験したようなものすごい雷雨が無くなった」と口にしたことがあります。ところが60歳ぐらいになったとき35歳ぐらいの人から同じ言葉を聞いたのです。つまり私が強い雷雨は無くなったと感じたときその人はまだ少年時代で強い雷雨を経験していたことになります。この場合は無くなったのは少年時代特有の自然から受ける鮮烈な印象驚き恐れでしょう。 (倉嶋厚『日和見の事典――倉嶋厚の人文気象学ノート』による)

84. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 少年時代に経験した雷雨の記憶は人によって異なる。

2. 同じ雷雨でも今の人は昔の人と同じような印象は受けない。

3. 大人になると子供時代に経験した雷雨の記憶は薄れてしまう。

4. 昔も今も雷雨はあるが大人になると子供のときほど強い印象は受けない。

(1) 現代、恋愛は、通常は部分でしか他者とかかわり合いをもたない個人にとって、例外的に全人格と全人格とのぶつかりあいを経験する、特別な関係なのであろうか。それとも、「全人格的」というのは幻想で、恋愛もまた互いに自己のある一面を見せあう、部分的関係の一例か。これはもちろん、そのどちらなのか、という問題ではなく、個々の恋愛はこの振幅のどこかにあるということになるだろう。だが、趨勢(注)としては後者の方へと振れてきているのではないだろうか。 (草柳千早「AERA MooK」 1999年7月10日号による) (注)趨勢:傾向

85. 筆者は、現代の恋愛はどうなってきていると考えているか。

1. 全人格でぶつかりあう関係が一般的になってきた。

2. 全人格でぶつかりあう関係は現実には存在しなくなった。

3. 自己の一部しか見せあわない関係は敬遠されてきている。

4. お互いに自己の一部しか見せあわないようになってきている。

(2) これから起こる社会の変化を読みとるのは難しい。しかし、その変化を見極めて将来に対する指針をもたなければ、激しく変化する社会のなかで自分を見失ってしまう。歴史学は、この時代の変化を長い時間のなかにおいて見据え、社会め進む方向を教えてくれる学問である。けっして、過ぎ去った過去を記憶したり、なぞったりする学問ではない。ゆるやかに流れる時代にあっても激動する時代にあっても、歴史学は私たちの行く(注1)手を照らす一条(注2)の光なのだと思う。 (高山博『歴史学未来へのまなざし――中世シチリアからグローバル・ヒストリーヘ』による) (注1)行く手:行く先 (注2)一条:一筋

86. 歴史学について、筆者はどのように考えているか。

1. 社会の流れを読みとり、将来のために記録しておくものである。

2. 現代社会や人々の活動の変化を、過去の時代と比較するものである。

3. 社会の変化を時間の流れのなかに位置づけて、進む道を示すものである。

4. 社会の変化や流れを振り返り、これまでの出来事を検証するものである。

(3) 昔もいまも、才覚といのは一定の軌道から飛び出してゆく能力のことで、みんなにそんな例外的な能力が備わっていたら、そもそも大地にはりつく農業も、分業で成り立つ産業社会もあり得ない。いつの世も、才覚のある者が新しいビジネスを起こしてゆくのは事実だが、それをビジネスとして成立させるのは社員の労働と訳身であるし、それがなければ起業者の才覚が活きることもない。 (高村薫 『関人生生平成雑記帳2007』による)

87. 才覚のある人について、この文章ではどのように述べられているか。

1. 優秀な能力を使って、社員を率いてゆく責任がある。

2. 人並み外れた能力をビジネスに活かすことが必要である。

3. 誰の助けを借りることもなく、企業を成功に導くことができる。

4. 他者の支えによって初めて能力をビジネスに活用することができる。

(4) 今の世には明るいものは余りに少なく、暗いものは余りに多く見えるが、両者は別個のばらばらではない。絶望と見える対象を嫌ったり恐れたりして目をつぶって、そこを去れば、もう希望とは決して会えない。絶望すべき対象にはしっかと(注1)絶望し、それを克服するために努力し続ければ、それが希望に転化(注2)してゆくのだ。そうだ、希望は絶望のど真ん中の、そのどん底に実在しているのだ。 (むのたけじ『希望は絶望のど真ん中に』による) (注1)しっかと:しっかり (注2)転化:変化

88. この文章で筆者が言いたいことは何か。

1. 絶望を希望に変える方法を模索しなければならない。

2. 絶望していては希望にたどり着くことはできない。

3. 絶望に立ち向かってゆけばその先に希望がある。

4. 絶望から目をそらすと希望が見えてくる。

(1) 何かを学ぶということは、もちろん問題に答える知識や技術を身につけるという意味もあるけれど、それは実は学ぶことの本質ではない。ぼくらは本や学校で、これまでひとが見出してきたさまざまな秩序、筋道を学ぶ。だけどそうやってさまざまな「型」を学ぶことによって今まで見えていなかった。あるいはぼんやりとしか見えていなかった。「型やぶり」なものが見えてくるようになる。つまりは、学べば、学ぶほど、見えてくる問題は増えるというわけだ。 (野矢茂樹『はじめて考えるときのように、『わかる』ための哲学的道案内』による)

89. 筆者は、学ぶことの本質とは、どのようなことだと考えているか

1. 「型」を学ぶことで、気づいていなかった問題を認識できるようになること

2. 知識や、技術を身につけて、さまざまな秩序や筋道が見えるようになること

3. 既存の「型」に固執せず、常に「型やぶり」なことに挑むこと

4. 他人が見出したことを学ぶのではなく、自分自身で考えること

(2) 以下は、ある旅館に届いたメールである。 横西旅館 ご担当者様 11月30日に、貴旅館のホームページから宿泊の予約をした者です。 予約ページによりますと、宿泊の可否についてはメールでご連絡いただけるとのことですが、いまだメールをいただいておりません。 出発の日時が、迫っておりますので、早急にご確認いただけますでしょうか。 予約番号は、131130172で、予約した内容は、以下のとおりです。 宿泊希望日:2013年12月21~23日(2泊) 人数:3名(大人2名、子供1名) 部屋:1室(禁煙ルーム)なお、予約時には夕食の時間は、19時にお願いしていましたが、18時に変更してください。 よろしくお願いいたします。 上田真山

90. このメールがもっとも伝えたいことは何か。

1. 予約は、成立しているか知らせてほしい。

2. 予約内容に間違いないか、確認してほしい。

3. 予約ページに不具合がないか、調べてほしい。

4. 予約時に希望した夕食時間を遅らせてほしい。

(3) 医者、ナース(注)と患者との間の意味のズレやスレ違いは、患者の身体的症状に対する専門的な医学的認識、患者自身の意味づけとの間に生まれている。医療関係者の課題の一つは、患者自身の身勝手な解釈とそれに基づいた治療行動を再考させて、医学的に求められる治療活動だけに目を向けさせることであろう。つまり、患者の内面にある認識構造の再構成というむずかしい問題にぶつかるのである。 (梶田正巳『勉強力をつける一認識心理学からの発想」による) (注)ナース : 看護師

91. 筆者によると、医療関係者に求められていることは、何か。

1. 患者の希望を聞いて治療方法を再考すること

2. 患者が、納得できる医学的な見解を示すこと

3. 患者の目を最新の治療方法に向けさせること

4. 患者を医学的な認識を導くこと

(4) 日記とは限りなく私的な記録であり、読者が存在しないどころか、他人には読まれたくない秘密の表現であるともいえる。 ただ一人だけ奇妙な読者が存在する。いつでも自由に日記を読むことのできる日記の筆者である。その読者は筆者とは異なる場に立って様々な配慮を動かす。万が一、日記が盗み読まれたり(注)、死後に他人の目に曝されるような事態が発生した場合、こんなことが、書かれているのはまずいのではあるまいか、等々と。しかし、これは限りなく私的な記録である筈の日記にとっては矛盾である。 (黒井千次『図書』2007年2月号による) (注)盗み読む:他の人の日記や手紙などをこっそり読む

92. 矛盾であるとあるが、何が矛盾か。

1. 他人に読まれる可能性のある日記に秘密を書き残すこと

2. 日記の筆者が他人に読まれることを想定すること

3. 日記は筆者しか読まないのに、他人にも、読みやすく書くこと

4. 日記は私的なものなのに、他人に自由に読まれるかもしれないこと

(1)    大人になっても、味覚は変わり続ける。二十代の血気盛んな頃、すき焼き鍋などを囲むと、肉ばかり食べている私を見て、「私たちはもう沢山。年をとると、キノコや野菜が一番おいしい」などと半ば私を、半ば自分自身を論すかのように言う年長者がいた。なるほど、私も、最近では肉の味のしみた野菜やキノコがおいしい。一方で、肉も相変わらず食べる。年長者だって、肉を食べなくなるわけではない。 (茂本総一郎『食のクオリア』による)

93. 食べることに関して筆者はどのように感じているか。

1. 若い験肉が好きでよく食べた人も、年をとると食べ物の好みが変わる。

2. 人は年齢を重ねるにつれて、野菜も肉も食べる量が少なくなってくる。

3. 二十代の頃は肉よりも味のしみたキノコや野菜を好んで食べる人が多い。

4. 年長者は肉と野菜を片寄りなく半分ずつ食べたほうがいいと思っている。

(2) 相手を思いやる気持ち、これも、「あいさつ」の心にちがいありません。先年、アフリカへ行ったとき、タンザニアで聞いたことですが、現地の人たちが道で知人とあいさつを交わすとき、おたがいに家族の安否をたずねますが、たとえ自分の家族に病人がいても、それをロに出さないのが暗黙のルールになっているのだそうです。相手の気持ちに負担をかけまいとする心からです。 (川崎洋『ことばのカ』による)

94. 暗黙のルールになっているのはどんなことか。

1. 安否をたずねる際には、ことばをロに出さないこと

2. あいさつを交わすときは、まず安否をたずねること

3. あいさつのとき、家族の病気のことは言わないこと

4. 病気の人がいる家族とはあいさつを交わさないこと

(3) 毎年、花の種を蒔いたり、球根を植えたりする季節が近づくと、種苗を扱う農園から、色刷りのカタログが送られてくる。私には植物を実際に取り寄せて植える土地などはないから、それを眺めて空想庭園を楽しむのである。しかし、それらの誇らしげに咲いている花の見合い写真を次々に見ていくと、連中が一様にある傾向を有していることに嫌でも気がつく。つまり、すべての花を「品種改良」によって、より大輸にし、そして何でもかでも八重咲に造りかえてしまおうという、人間の趣味と努カと一種の意地がそこに反映しているのである。 (奥本大三郎『虫の字宙誌」による) (注1)連中:ここでは、花のこと (注2)大輸:花の大きさが普通よりも大きいこと (注3)八重咲:花ぴらが数多く重なっていること

95. そこは何を指しているか。

1. 品種改良されていない花

2. カタログに掲載されている花

3. 筆者が取り寄せたいと思った花

4. 筆者が空想している庭園の花

(4) 生きものは危機と遭遇しそれを乗り切ることで進化してきました。人間社会も同じです。環境変化による影響を受けにくくするため、私たちの祖先は集団生活を始め、都市を築き文明を育ててきました。協調が社会の基本にあります。文明の初期段階では、生き延びるため、皆が協調します。 しかし、生存が既定のものと思うようになると、自分さえよければいいという自己利益の最大化に走ります。結果は滅亡です。 (日本経済新聞2010年3月8日付朝刊による)

96. 人間について、この文章からわかることは何か。

1. 環境の変化に関係なく、協調性より自己利益を追求する。

2. 生命の危機がなくなると、他者との協調性が薄れる。

3. 文明が発展するにつれて、協調性が生まれる。

4. 協調性を育てるために、集団生活をする。

(1) ファッションなど、流行は模倣を前提にしている。真似られなければ、ファッションなど成立しない。ミニスカートをデザインしたとしても、特定のデザイナーのものだけが売れるのでは、流行にはならない。多くの者が模倣してはじめて流行は成立するため、ファッションなどには、模倣を誘発させようとする意図が最初から織り込みずみだ。 (浜野保樹『模倣される日本――映画、アニメから料理、ファッションまで』による)

97. 流行について、筆者はどのように考えているか。

1. 多くの者に購買意欲を誘発させるものである。

2. 多くの者に真似られることなしには始まらない。

3. 特定のデザイナーによる誘発が欠かせない。

4. 特定のデザイナーのものが真似られなければならない。

(2) 以下は、ある会社で回覧された文書である。 営業部社員各位 2012年6月27日 総務部長 業務用携帯電話の貸与について このたび、業務用携帯電話を貸与することにいたしましたので、貸与申請書を7月10日までに総務部にご提出ください。業務用携帯電話は、7月17日以降順次配付いたします。 また私物の携帯電話の業務使用は、8月1日以降禁止いたします。7月31日までの通話料金の請求書類は、8月31日必着で総務部にご提出ください。

98. 業務のために携帯電話を使用している人はどうしなければならないか。

1. 貸与申請書を7月10日までに、7月31日までの通話料金請求書類を8月1日までに総務部に提出する。

2. 貸与申請書を7月10日までに、7月31日までの通話料金請求書類を8月31日までに総務部に提出する。

3. 貸与申請書を7月17日までに、7月31日までの通話料金請求書類を8月1日までに総務部に提出する。

4. 貸与申請書と7月31日までの通話料金請求書類を、8月31日までに総務部に提出する。

(3) 情報化、グローバル化と言われ、視野を広げるべき時代に、実は極めて限られた世界、社会でしか情報や価値観を得られていない人が増えているように思えます。インターネットは世界中どこにでもつながりますが、自分で意識しないと、限られた価値観の情報だけが集まり、さらに深く入り込む。世界観を広げるインターネットが、逆に世界観や価値観を狭めてしまう、視野狭窄(注)に陥らせる道具となってしまうのです。 (伊藤真『会社コンプライアンス――内部統制の条件』による) (注)視野狭窄:見える範囲が狭くなること

99. この文章で、筆者はインターネットをどのようにとらえているか。

1. 広い視野を失わずに使用すれば、より深い情報を得ることができる。

2. 限られた情報や、個人の興味のあるものを得るには便利な道具である。

3. 便利なものだが、使い方に気をつけないと限られた世界で生きることになる。

4. 意識して使用しなければ、自分の価値観に合った情報が得られないことになる。

(4) この社会にはどこかに中心があって、自分はその中心から遠く離れたところに押しやられ(注1)ていると感じている人は多い。しかし、私は私自身の「生きる意味」を創造し、私の生きる世界に意味を与える存在なのであり、世界の中心は私自身にあるのだ。しかし、それは「自己チュー」(注2)の世界ではない。なぜなら、私自身が意味を生み出す中心であることを認めるとき、私たちの周りには私だけでなくたくさんの中心があることが分かってくるからだ。 (上田紀行 「生きる意味」による) (注1)押しやる:押してどける (注2)自己チュー:自己中心のこと。自分のことしか考えないこと

100. 筆者の考えを最もよく表しているのはどれか。

1. 誰もが社会の中心から遠く離れた存在だ。

2. 誰もが他人の存在を認めることが大切だ。

3. 一人一人が生きる意味を持っている大切な存在だ。

4. 一人一人が自分の生きる世界を見つけることが大切だ

(1) 食器のバラエティこそ、日本のやきもの(注)の特色の一つだと思います。そして、日本人のやきものに対する思いとか愛着は、食器のみならず、種類の豊富さにあらわれているといってもいいでしょう。 私たちは食事のたびに、もちろん料理も食べていますが、知らずに目で食器も食べているのです。だから興味・関心がないというのは、不注意なだけなのです。すでに下地はできているのですから、あと一歩踏みこめば、やきものに興味・関心がグッと深まるはずなのだと思います。 (江口滉『やきものの世界』による) (注)やきもの:陶芸品

101. 筆者の考えに合うのはどれか。

1. 食事のたびに食器を眺めることで、陶芸品への愛着が強まる。

2. 日常使う食器に注意を向けることで、陶芸品への関心が高まる。

3. 食器を通して陶芸品に興味を持つことで、芸術全般への関心が高まる。

4. 家庭にいろいろな食器を取り入れることで、陶芸品への愛着が強まる。

(2) おとなは子どもに「嘘つきは泥棒のはじまり」として正直であることを強要しますが、弱者は苦しい嘘をついてでも自らの尊厳を守ろうとします。論理的に正しいことを理性と呼ぶとすれば、理性的にあることができるのは強者だからです。強者はそれゆえに理性的に弱者の過ちを責めようとしますが、弱者の立場からいえば、それは何の意味も持たないことが多いのです。弱者のする謝罪とは、劣勢を一時的に解消する手続きや儀式にすぎないのです。 (吉田脩二『ヒトとサルのあいだ--精神はいつ生まれたのか』による

102. 筆者は、弱者をどのようにとらえているか。

1. 弱者は正直であることで自らの尊厳を守ろうとする。

2. 弱者は理性を持って自らの過ちをわびようとする。

3. 弱者は正論に頼って劣勢を解消しようとする。

4. 弱者は謝罪することで自らを守ろうとする。

(3) 以下は、ある会社がホームページに掲載したお知らせである。 東本タイヤ株式会社 2011年6月15日 タイヤ価格改定のお知らせ 当社は原材料価格の高騰を受け、トラック・バス等の特殊車両用タイヤの値上げを、本年3月(夏用タイヤ)、および4月(冬用タイヤ)実施致しました。 しかし、原材料のさらなる価格高騰が続き、現在の出荷価格の維持が不可能であると判断し、本年9月1日より、一般車両用タイヤを含むすべてのタイヤの出荷価格を改定することと致しました。 何卒ご理解頂きますようお願い申し上げます。 以上

103. タイヤの出荷価格について、この文章は何を知らせているか。

1. すべてのタイヤの価格改定を3月、4月に続き、9月にも行う。

2. 夏用タイヤ、冬用タイヤの両方の価格を、さらに2回改定する。

3. 春に改定しなかった一般車両用のタイヤ価格等も含め、9月に改定を行う。

4. 特殊車両用のタイヤに続き、9月からそれ以外のタイヤの価格も改定する。

(4) 思春期を迎えた最近の子どもがストレスに弱いのは、それまでの発達過程で適度にストレスにさらされる経験を十分にへてこなかったことが深く関係している。しかもそれは、彼らが社会化を十分に遂げてこなかったことと等しい。というのも、10代前半までの子どもは、それまでの生活圏を出てより広い社会的文脈のなかでいかにして自己を実現させるかという課題に取り組むなかで、もっとも強くストレスを味わうからにほかならない。 (正高信男『父親力』による)

104. 筆者は、思春期を迎える前の子どもにとってどんな経験が必要だと考えているか。

1. 家庭の外の社会で多くの社会問題に取り組む経験

2. 日々の生活の場で自分自身と向き合うような経験

3. 広い社会の中で自分を鍛えることができるような経験

4. 日常生活の中で個人の発達段階に応じた役割を担う経験

(1) 人間は、目の前のものやできごとを、自分の目だけで見ているとか、感じているとかというように思うかもしれないが、実際には、 頭の中では、同時に記憶の中から同じような情報を引っ張り出して、素早く比較、検討しているのだ。 つまり、勘がいいとか、察しがいいというのは、目で見たこと、聞いたことだけでものごとを判断しているわけではなく、想像力が発達しているということになる。脳のお記憶をいかにうまく使いこなしているかという差が表れてくるのだ。 (米山公啓 「頭がいい」とはどういうことかにようる)

105. 筆者によると、勘や察しがいいとはどういうことか。

1. 目や耳で得られる情報から、経験したことのないものごとを瞬時に判断できる。

2. 今までの記憶にこだわらずに、目の前のできごとの本質を素早くとらえられる。

3. 頭の中に蓄積した情報を上手に上手に活用し、目の前のものごとを瞬時に判断できる。

4. 目や耳から入る情報に集中し、その場のできごとの全体を一瞬で理解できる。

(2) 以下は、ある会社が取り引き先に出したメールである。 (株)中田清掃社 総務課田山広 様 毎度、お引き立ていただきありがとうございます。 さて、11月5日にご注文いただきました品を、本日、添付の納品明細書通り発送いたしました。 なお、「床用洗剤スリーン」につきましては、誠に申し訳ございませんが、在庫不足のため、50箱のみの発送とさせていただきました。未発送分は入荷次第(2 週間後の予定)発送いたします。本日発送の商品が到着しましたら、大変お手数をおかけいますが、一緒にお送りした品物受取書に押印のうえ、返信用封筒にてお送りくださるようお願い申し上げます。 添付書類:納品明細書(写し)1 通 (株)キイト 営業課長佐川明人

106. このメールの用件は何か。

1. 出荷状況のお知らせと受取返信のお願い

2. 不足分発送のお知らせと商品確認のお願い

3. 入荷予定のお知らせと添付書類確認のお願い

4. 在庫状況のお知らせと納品明細書返信のお願い

(3) 専門家・研究者やマスコミには、ごみの問題や斜面林や里山などの破壊といった身近な環境問題を重視せず、いくつかの代表的な環境問題ばかりを取り扱う傾向が強い。マスコミなどが注目する環境問題に取り込んでいることが、専門家の専門性を誇示し、専門家としてのステースタを維持させることにつながっているかのように見える。環境問題が話題性の高いものに特化されることは、日常的な環境問題が大部分の専門家・研究者から無視され、放置されることになる。 (御代川貴久夫・関啓子「環境教育を学ぶ人のために」による) (注)里山(さとやま):人家の近くにあって、人の生活と関係が深い森林や山

107. 筆者は、専門家・研究者の環境問題への取り組みをどのようにとらえているか。

1. 専門性を生かして日常的な環境問題の解決を図っている。

2. マスコミが注目している問題に特化して研究を進めている。

3. 社会的に注目されている身近な課題に積極的に取り込んでいる。

4. マスコミと連携してあまり注目されない問題を取り上げている。

(4) 人は一人では生きられない。よほどの変人か仙人(注1)のよな人でなければ、人は世の中と無関係には生きられない。しかも、その世の中というものは固定されたものではなく、ものすごい速さで形を変えていて、それにいちいち適応していくのには、体力も技術も精神力も要る。そんな化け物(注2)のような世の中から自分を守るために、一人きりで孤高の城に籠城すれば(注3)、やがて孤独に自滅する。その矛盾をどうしていったらいいのだろう。 (山本文緒「結婚願望」による) (注1)仙人:世の中と離れて生きる神のような人 (注2)化け物:怪物 (注3)孤高の城に籠城する:ここでは、外部との接触を一切持たずに自分の殻に閉じこもる

108. この文章で筆者が述べていることは何か。

1. 世の中から自分を守るには一人で生きる精神力が必要だ。

2. 世の中の矛盾に耐えるための精神力を維持するのは大変だ。

3. 社会にうまく適応できたとしても、人間には孤独も必要だ。

4. 人は孤独に生きられないが、世の中に合わせるのも大変だ。

(1) 他の人の成功事例をマネすることが、必ずしも自分の成功を約束するものではなくなったのがいまの時代です。昨日までの成功は、今日の成功を意味しません。そのような時代に大切なのは、やはり創造力です。そして創造力とは新しいものをつくりだす力を意味している以上、失敗を避けて培えるものではありません。 創造力を身につける上でまず第一に必要なのは、決められた課題に解を出すことではなく、自分で課題を設定する能力です。 (畑村洋「太郎失敗学のすすめ」による)

109. 筆者によると、いまの時代に創造力を養うには何が必要か。

1. 失敗を経験しながら課題を見つけ出すカ

2. 失敗を重ねながら課題をこなしていく力

3. 失敗を生かしながら課題を遂行する力

4. 失敗を受け入れながら課題を解く力

(2) 以下は、ある会社が取引先に出した文章である。 2010年11月10日 エービーシー株式会社 海外営業部長田中春子様 アサクラ株式会社 国際課長西田良雄 拝啓 貴社はますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。 先日お知らせいたしました通り、弊社は、事業拡大のため、来月1月に本社を現在の朝日ビル(北森区)から山中ビル(西川区)に移転いたします。それに先立ちまして、これまで東川区にございました国際課も、12月3日に山中ビル5階に移転することになりました。つきましては、以下の通り新住所および連絡先をお知らせいたします。 今後とも、なお一層のご愛顧のほどお願い申し上げます。 敬具 記 新住所: 141-0023 東京都西川区大町1-5-20 山中ビル5階 新電話番号 03-7434-5656 新FAX番号: 03-7434-5657 以上

110. この文章で最も伝えたいことは何か。

1. アサクラ株式会社の国際課が1月に山中ビルに移転すること

2. アサクラ株式会社の国際課が12月に山中ビルに移転すること

3. アサクラ株式会社の本社と国際課が1月に山中ビルに移転すること

4. アサクラ株式会社の本社と国際課が12月に山中ビルに移転すること

(3) 価値観や科学的常識は、誰にとってもいつの世でも、変わらぬものだと感じがちです。しかしそれは雲の形のように、一見、静止しているように見えて、じつはゆっくりと変化しています。あまりにもゆっくり変化するため、多くの人が、雲は静止画のように変化しないものだと信じているのです。 誰もが、たまたま自分の成長期に見ていた雲こそが「正しい雲の形」だと思い込みます。こうしてそれぞれの世代の人の脳裏にある雲の姿は、お互いに少しずつズレてきて、すれ違いが起こるのです。 (藤沢晃冶 「わかりやすい教え方」の技術― 「教え上手」 になるための13のポイントによる)

111. 筆者は、すれ違いが起こる原因をどのように説明しているか。

1. 見る雲の形はどの世代でも変わらないが、一人一人は違う雲の形を見ているため

2. 見る雲の形はどの世代でも同じだが、一人一人の記憶の中で雲の形が変わっていくため

3. 見る雲の形は世代によって違うが、一人一人は雲の形はいつも同じだと思っているため

4. 見る雲の形は世代によって異なるが、一人一人の好きな雲の形はそれ以上に違うため

(4) データが示す姿は光の部分もあれば影の部分もある。そのどちらか一方だけを強調することは、分かりやすさという面はあるものの、いたずらに対立軸を先鋭化(注)させたり、無用の混乱を生じさせる危険性がある。 これらをいちいち意識しているのは大変であるが、少なくともデータをやみくもに信じてしまう態度だけはとるべきでない。データの罠を見分ける力、すなわちデータリテラシーは、多くの人にとって必要なものではあるが、本来は、公平で客観的報道に努めるべきメディアに携わる人間が、しっかりと備えていなければならない必須の条件である。 (田村秀 「データの罠世論はこうして作られる」による) (注)先鋭化させる、ここでは、見立たせる

112. 筆者によると、報道に携わる人間が備えておくべき必須条件とは何か。

1. 示されたデータから影の部分を取り除く力

2. 示されたデータが偏ったものではないか見抜く力

3. 示されたデータをありのまま分かりやすく伝える力

4. 示されたデータから報道目的に合ったものを選び取る力